時間外手当・通勤手当以外の、会社独自の手当を設定します。
目次
事前準備1:設定の対象者を知る
設定対象外
- 時間外手当(深夜手当・休日労働手当含む)・通勤手当以外の手当がない場合
- 設定不要です。[Part3] 8. 控除を設定する へ進みましょう。
設定対象
- 役職手当・在宅勤務手当など、会社独自の手当がある場合
-
裁量労働制で所定労働日のみなし労働時間が8時間を超えた部分の
みなし残業代を設定する場合 - freee会計を連携していない/利用していない場合の、経費精算額を明細に設定する場合
上記のいずれかに当てはまる場合、本ページで「その他手当」として設定します。
そのまま 事前準備2:設定に必要な情報を用意する へ進みます。
事前準備2:設定に必要な情報を用意する
過去の給与で手当を支給している場合の給与明細を探し、どのような計算で支払われているかを確認しておきます。
確認するポイント
- 手当の金額は毎月同じか、変動するか
- 毎月支給するか、時々支給するか
- 社会保険・所得税の金額や扱いにどう影響しているか
- 時間外手当・勤怠控除(遅刻・早退・欠勤の場合の賃金控除)の計算にどう影響しているか
代表的な手当と法律上の扱い
手当の内容や性質に応じて、社会保険料や所得税、割増賃金にどう反映させるか、
法律で定められています。
下表では、代表的な手当における項目(関連する法律)別の扱いを確認できます。
freee人事労務 の項目名 |
法律での扱い | 手当例 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
影響する範囲 | ヘルプページ等 | 役職手当 | 出張旅費 手当 |
住宅手当 | 結婚祝金 | |
所得税の計算 |
所得税の |
所得税が かかる手当 |
含める (課税) |
含めない (非課税) |
含める (課税) |
含める (課税) |
社会保険料の計算 | 標準報酬月額 の算定 |
社会保険料が かかる手当 |
含める | 含めない | 含める | 含めない |
労働保険料の計算 | 雇用保険料の計算 | 労働保険料が かかる手当 ※ |
含める | 含めない | 含める | 含めない |
割増賃金の基礎 |
残業1時間あたり |
含める | 含める | 含めなくてよい | 含めなくてよい | |
勤怠控除の基礎 |
遅刻早退・欠勤 |
- | 法律上の規定はありませんが、 一般的には割増賃金と同じ設定を行います。 |
|||
固定的賃金の計算 | 随時改定の計算 | 固定的賃金とは | 含める | 含めない | 含める | 含めない |
※労働保険料がかかる手当:厚生労働省「神奈川労働局:労働保険料の算定基礎となる賃金早見表)」
詳しくは、ヘルプページ「手当と所得税・社会保険料・割増賃金の関係について」をご参照ください。
事前準備3:設定の流れを知る
大きく2ステップで設定します。
まずは、上記2ステップで設定内容を確認しましょう。
上記2ステップで確認後、具体的な設定例を確認したい場合は、
補足:手当のよくある設定例 で確認できます。
<設定例>
- 例1. 毎月支給金額が同じ場合(例:役職手当など)
- 例2. 月によって支給の有無が異なる・金額が変動する場合(例:営業インセンティブ手当など)
- 例3. 単価 × 回数のように金額が変動する場合(例:在宅勤務手当など)
Step1. 手当を作成する
手当は、一度作成して保存すると変更できない箇所があります。
また、一度作成した手当は削除できません(非表示にすることは可能です)。
そのため、項目の選択を間違わないように設定しましょう。
-
[設定]メニューを開きます。
-
「支給・控除関連」項目の[その他手当]をクリックします。
- [+新規追加]をクリックします。
- 基本情報セクションを設定します。
手当名(上図①)
給与明細に表示される「手当名」を入力します。支給タイミング(上図②)
「給与」か「賞与」を選択します。
※支給タイミングは、一度手当を保存した後は変更できません。 - 支給額セクションを設定します。
計算タイプ(上図③)
※計算タイプは、一度手当を保存した後は変更できません。
※契約プランによって、選択できる計算タイプが異なります。- ミニマム: 固定額
- スターター: 固定額・勤怠項目に応じて支給
- スタンダード・アドバンス:固定額・勤怠項目に応じて支給・カスタム項目に応じて支給
計算タイプごとに、次のような手当を設定できます。
計算タイプ 詳細 固定額 入力した手当の単価が、そのまま手当の支給額として反映されます。 勤怠項目に応じて支給 (勤怠項目 × 入力した手当単価)を毎月自動計算して支給します。 カスタム項目に応じて支給 数値や時間のカスタム項目(別途要作成)の内容に応じて支給します。
※スタンダード・アドバンスプランのみ金額の初期値(上図④)
全員、または多くの従業員に同じ金額を支給する場合のみ、金額を入力します。
従業員ごとに異なる場合や、毎月金額が変動する場合は0のままにしておき、
従業員に付与する時に入力します。※各計算タイプ別の設定内容は、下記から確認できます。
A. 計算タイプを「固定額」で設定する場合
作成時または従業員付与時に入力した手当の単価が、そのまま手当の支給額となります。
<従業員付与時の画面>
<計算タイプと支給頻度(後述)の組み合わせ>
- 「計算タイプ:固定額」 × 「支給頻度:毎月」で作成
- 指定した金額が付与した月以降、毎月支給されます。
- 金額が変わらない手当を毎月支給する場合に使用する組み合わせです。
- 「計算タイプ:固定額」 × 「支給頻度:1回」
- 指定した金額が付与した月のみに支給されます。
- 毎月金額が変わる手当や、
支給の有無が月によって変わる手当に使用する組み合わせです。
B. 計算タイプを「勤怠項目に応じて支給」で設定する場合
(勤怠項目 × 手当単価)を毎月自動計算して支給します。
手当単価は、作成時または従業員付与時に入力できます。
<選択できる勤怠項目>
- 欠勤日数
- 有休取得日数
- 労働日数
- 早退日数
- 遅刻日数
- 法定内残業時間
- 休日労働時間
- 遅刻早退時間
- 深夜労働時間
- 所定内時間
- 時間外時間
- 総勤務時間
※日数・時間の内訳は、ヘルプページ「労働時間・労働日の種類」をご参照ください。
なお上記以外の勤怠項目を選択したい場合は、プランに応じて下記の通り作成します。
- ミニマム・スタータープランの場合
-
A. 計算タイプを「固定額」で設定する場合で
「計算タイプ:固定額」 × 「支給頻度:1回」の組み合わせ
-
A. 計算タイプを「固定額」で設定する場合で
- スタンダード・アドバンスプランの場合
-
A. 計算タイプを「固定額」で設定する場合で
「計算タイプ:固定額」 × 「支給頻度:1回」の組み合わせ - C. 計算タイプの「カスタム項目に応じて支給」で設定する場合
-
A. 計算タイプを「固定額」で設定する場合で
C. 計算タイプを「カスタム項目に応じて支給」で設定する場合
(カスタム項目×手当単価)を計算して支給します。
※カスタム項目とは、別途作成した数値や時間など会社独自の項目を管理できる機能で、
スタンダード・アドバンスプランでご利用可能です。
設定手順は、ヘルプページ「従業員情報に任意の項目を追加する(従業員カスタム項目)」
をご参照ください。たとえば「在宅勤務回数」というカスタム項目を作成し、
このカスタム項目×単価200円として「在宅勤務手当」を設定すると、
カスタム項目に回数を入力することで、回数に応じた金額を入力することができます。例3. 単価 × 回数のように金額が変動する場合(例:在宅勤務手当など)でも
設定例を確認できます。 - 頻度と計算方法セクションを設定します。
日割り計算(上図⑤)
フレックスタイム制以外の労働制の場合は、締め日途中で入退社した場合に金額を日割りするかを選択できます。支給頻度(上図⑥)
「毎月」か「1回」を選択します。- 毎月: 最初に手当を付与した月以降、毎月同じ金額を支給する場合に選択します。
- 1回 : 特定の月のみ支給する場合や、手当の金額が毎月変わる場合に選択します。
※支給頻度は、一度保存した後は変更できません。
⑦各計算に含めるか
「含める」「含めない」を判断する際は、
ヘルプページ「手当と所得税・社会保険料・割増賃金の関係について」をご参照ください。※この設定は後から変更できます。一旦暫定で入力しておき、
給与計算を進める過程で過去の実績と比較しながら変更することも可能です。 -
[追加]をクリックします。
画面上部に「手当を追加しました。」と表示されたら、1手当の作成は完了です!
-
手当が複数ある場合は、このStep1の手順③〜⑦を必要な分繰り返します。
-
手当をすべて作成できたら、次は Step2. 手当を従業員に付与する へ進みます。
Step2. 手当を従業員に付与する
このページでは、freee人事労務の画面上から1従業員ずつ手当を付与する場合の手順をご案内します。
CSVファイルを用いて手当を一括更新する場合は、下記ページをご参照ください。
- ヘルプページ:「従業員の給与等を一括で更新する- その他手当の一括更新」
- [従業員]メニューを開きます。
- 「従業員一覧」画面で、情報を更新したい従業員を選択します。
- 「従業員詳細」画面上部の年月ナビゲーション(年月ナビ)で、手当を付与したい年月を選択します。
年月ナビゲーションで選択している月は、給与の支払い月です。
freee人事労務では月ごとに従業員データを持ち、給与計算します。データの参照・更新の際には、年月ナビで正しく年月を切り替えましょう。
詳細は「[Part3] 1. 年月ナビゲーション(年月ナビ)を理解する」をご参照ください。
- 年月が正しく切り替わったことを確認してから、左メニューの[手当]をクリックします。
- 手当セクションが表示されたら、[編集]をクリックします。
- [+手当を付与]をクリックします。
- 該当の手当を選んで左のチェックボックスに✔を入れて[付与]をクリックします。
-
金額の初期値と異なる場合は、正しい数字を入力して、[保存]をクリックします。
※金額が多くの従業員と異なっている場合や、
初期値が0円になっている場合は正しい金額に変更します。 - 画面上部に「手当を保存しました」と表示されたら、1従業員への付与は完了です!
-
他に手当の付与が必要な従業員がいる場合、Step2の手順②〜⑨を繰り返します。
-
手当の付与がすべて完了したら、次は Step3. 次の設定へ進む へ進みます。
Step3. 次の設定へ進む
役員・従業員や事業所の状況に合わせた次の設定へ進みましょう。
複数に該当する場合は、番号の若いものから対応します。
どんな場合 | 次のステップ | 補足 |
---|---|---|
控除 |
[Part3] 8. 控除を設定する へ進みます。 |
控除: |
上記に |
[Part3] 9. 所得税・住民税を |
- |
補足:手当のよくある設定例
設定例
- 例1. 毎月支給金額が同じ場合(例:役職手当など)
- 例2. 月によって支給の有無が異なる・金額が変動する場合(例:営業インセンティブ手当など)
- 例3. 単価 × 回数のように金額が変動する場合(例:在宅勤務手当など)
例1. 毎月支給金額が同じ場合(例:役職手当など)
例)毎月Aさんに役職手当30,000円を支給、Bさんに役職手当50,000円を支給
- 手当を作成します。
【設定例】
①手当名:役職手当
②支給タイミング:給与の際に支給
③計算タイプ:固定額
④金額の初期値:0円
⑤日割り計算:しない
⑥支給頻度:毎月
⑦各計算に含めるか:全ての計算に含める※⑦の詳細は、下記ヘルプページで確認できます。
→ 手当と所得税・社会保険料・割増賃金の関係について -
Step2. 手当を従業員に付与する で、該当の従業員に個別に手当を付与します。
付与する際に、Aさんに30,000円、Bさんに50,000円と入力します。「支給頻度:毎月」で作成した手当は、付与した月以降も内容が引き継がれ、
従業員情報から削除するまで毎月支給されます。 -
設定できたら、Step3. 次の設定へ進む へ戻ります。
例2. 月によって支給の有無が異なる・金額が変動する場合(例:営業インセンティブ手当など)
例)Aさんに「営業インセンティブ手当」を支給
- 4月:12,000円
- 5月:支給なし
- 6月:2,300円
- 手当を作成します。
会社独自のルールで金額が変動するような手当(例:営業成績による手当など)は、
「計算タイプ:固定額」 × 「支給頻度:1回」の組み合わせで作成します。支給する月ごとに手当を従業員に付与し、付与時に金額を変えることで金額の変動に対応します。
「支給頻度:1回」で作成した手当は、付与した翌月以降に内容が引き継がれません。
【設定例】
①手当名:営業インセンティブ手当
②支給タイミング:給与の際に支給
③計算タイプ:固定額
④金額の初期値:0円 ※従業員に付与する時に金額を付与します。
⑤日割り計算:しない
⑥支給頻度:1回
⑦各計算に含めるか:固定的賃金の計算のみ「含めない」・その他の計算は「含める」※⑦の詳細は、下記ヘルプページで確認できます。
→ 手当と所得税・社会保険料・割増賃金の関係について -
Step2. 手当を従業員に付与する で、付与が必要な月に、該当の従業員に手当を付与します。
付与が必要な月ごとに、手当を各従業員に付与します。
固定額で0円の手当のため、付与時にはfreee外で計算した金額を設定します。- 4月:Aさんに手当を付与。金額:12,000円
- 5月:付与なしのため、作業無し
- 6月:Aさんに手当を付与。金額: 2,300円
- 設定できたら、Step3. 次の設定へ進む へ戻ります。
例3. 単価 × 回数のように金額が変動する場合(例:在宅勤務手当など)
例)「在宅勤務手当」(在宅勤務回数×200円)を支給
- ミニマム・スタータープランの場合
-
例2. 月によって支給の有無が異なる・金額が変動する場合と同じように設定し、
付与が必要な月ごとに、freee外で計算した金額の手当を付与していきます。
-
例2. 月によって支給の有無が異なる・金額が変動する場合と同じように設定し、
- スタンダード・アドバンスプランの場合
- 方法1
-
例2. 月によって支給の有無が異なる・金額が変動する場合と同じように設定し、
付与が必要な月ごとに、freee外で計算した金額の手当を付与していきます。
-
例2. 月によって支給の有無が異なる・金額が変動する場合と同じように設定し、
- 方法2
- (カスタム項目×手当単価)を計算して支給します。
この方法では、freee外で行う計算を一部省略できます。 - カスタム項目の設定手順は、下記ヘルプページをご参照ください。
→ 従業員情報に任意の項目を追加する(従業員カスタム項目)
- (カスタム項目×手当単価)を計算して支給します。
- 方法1
<カスタム項目を使った手当の仕組み>
- カスタム項目の設定で、毎月変動する項目(例:在宅勤務回数)を設定します。
※「翌月に入力内容を繰り越す」は✔を外します。 - 手当の作成では、下記で設定します。
- 計算タイプ:「カスタム項目に応じて支給」
- 支給頻度:「毎月」
- 手当の付与時に、従業員ごとに単価(例:在宅勤務手当の単価200円)を設定します。
- 毎月、変動する項目(例:在宅勤務回数)をインポートします。
※インポート手順は下記ヘルプページをご参照ください。
→ 従業員の給与等を一括で更新する-カスタム項目の一括更新 - freee上で、単価×回数(例:単価200円×在宅勤務回数)が自動計算された手当が支給されます。(回数がない月は手当0円になります。)
- 設定できたら、Step3. 次の設定へ進む へ戻ります。