このページでは、製造業の方向けに、会計業務の進め方や設定しておくべきことをご案内します。
なお、基本的な操作方法や会計処理の考え方などは他業種と同様となりますので、各項目に記載しているヘルプページをあわせてご覧ください。
また、本ページは「法人」「個人事業主」どちらの方でもご覧いただける内容となっています。
※別のヘルプページへのリンクタイトル一部が【法人】となっていますが、法人ページの中に個人ページへのリンクがあります。
目次
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本ページご案内の対象となる方
- ① 製造業に当てはまる業種の方
- ② 製造業ではないが「二次産業」に当てはまる一部業種の方
- ③ 「材料」「仕掛品」などの製造業向け勘定科目の選択が必要な方 -
はじめに
- 製造業向け機能を「使用する」に切り替える
- 課税方式が「簡易課税」の場合
- 開始残高設定の際の「棚卸仕訳オプション」 -
基本の操作
- 仕入の登録方法(支出)
- 売上の登録方法(収入)
- そのほかの会計処理 -
必要に応じて行う設定や作業
- 配賦仕訳の作成
- 勘定科目の新規作成
- 固定資産の登録
- 在庫棚卸 -
入力内容や提出書類などの確認
- 部門別で経費を確認する
- 「製造原価報告書」の内容を確認する - 「freee人事労務」と連携している場合
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製造業向け参考ページまとめ
- 本ページ記載ヘルプページ一覧
- インタビュー記事
- 税理士の検索・紹介サービス
本ページご案内の対象となる方
① 製造業に当てはまる業種の方
- 食料品メーカー
- 衣料メーカー
- 自動車メーカー
- 電子機器メーカー
- 木材/木製品メーカー
- 化学製品メーカー etc…
② 製造業ではないが「二次産業」に当てはまる一部業種の方
原材料を用いて加工を行う産業は「二次産業」と呼ばれ、製造業の他にも下記のような業種が当てはまります。
- 建設業
- 工業
- 鉱業 etc…
製造業と同様の会計処理や記帳を必要とする場合は、本ページの案内を参考にして設定や操作を進めることをオススメします。
「林業」「農業」などの自然から資源を採取・採掘する業種は「一次産業」、
「宿泊サービス業」「情報通信業」などの一次産業と二次産業に当てはまらない業種は「三次産業」にあたります。
③ 「材料」「仕掛品」などの製造業向け勘定科目の選択が必要な方
上記に当てはまらないメーカーや業種でも、まれに製造業向け勘定科目を用いての記帳が必要となるケースがあります。
ご自身で判断がつかない場合は、税理士や税務署の窓口などへご相談ください。
はじめに
製造業向け機能を「使用する」に切り替える
- [設定]メニュー →[事業所設定]→[詳細設定]タブを開きます。
- 取引関連設定の「製造業向け機能」を[使用する]に設定します。
- [保存]ボタンをクリックします。
「使用する」に変更すると、取引を登録する際に製造業向けの勘定科目が選択できるようになります。
課税方式が「簡易課税」の場合
「簡易課税の事業区分」を「第三種」に変更します。(※事業内容が製造業のみの場合)
また、「税区分の「使用」を一括更新」にチェックを入れ、必要に応じて「今年度中に登録した取引の税区分を一括更新」と「勘定科目の税区分を一括更新」にチェックを入れてください。
詳しくは 簡易課税を選択している場合の取引登録方法 をご覧ください。
そのほか基本的な設定に関しては freee会計の事業所の設定を行う のヘルプページをあわせてご覧ください。
開始残高設定の際の「棚卸仕訳オプション」
基本的な開始残高の設定方法に関しては 【法人】開始残高を設定する をご覧ください。
会社が2期目以降で、かつ「棚卸資産」(商品/仕掛品/原材料など)がある場合は、開始残高を設定する際に「棚卸仕訳をつくる」を選択し、期首棚卸の振替仕訳が自動で作成されるようにしておきます。
ただし、他社会計ソフトから仕訳データをインポートする場合は、インポートデータの中に期首棚卸の振替仕訳が含まれており仕訳が重複してしまう可能性がありますので、「棚卸仕訳をつくらない」を選択します。
基本の操作
仕入の登録方法(支出)
例:
A株式会社からB商品で用いる資材をfreee銀行からの銀行振込で4月15日に55,000円で購入した。
必須項目 | 入力/選択内容 |
---|---|
収支 | 支出 |
決済 | 完了 ※1 |
口座 | 支払いをした口座 |
発生日 | 支払い日 |
勘定科目 | 取引内容に適した勘定科目 ※2 |
金額 | 支払い額(税込) |
※1 / 製造業に係る製造原価の計上日と振込日が異なる場合は決済を「未決済」にする必要があります。
※2 / 必要に応じて製造業([製]のつく勘定科目)を選択する必要があります。
任意項目 | 入力/選択内容 |
---|---|
取引先 | 仕入れ先 |
品目(タグ) | 仕入れた商品名 |
部門(タグ) | 仕入れの担当部署 |
そのほか「メモタグ」「備考」には、自社側の仕入れ担当者名や仕入れ先の担当者名、仕入れ内訳、やりとりの記録など、より詳細な内容が必要であれば記載しておきます。
売上の登録方法(収入)
例:
D株式会社にE商品を110,000円で販売し、代金の請求は4月末日付け5月末期限払いとして請求書を送付した。
必須項目 | 入力/選択内容 |
---|---|
収支 | 収入 |
決済 | 未決済 |
発生日 | 売上計上する日 |
勘定科目 | 取引内容に適した勘定科目 |
金額 | 入金予定額(税込) |
任意項目 | 入力/選択内容 |
---|---|
期日 | 入金期日 |
取引先 | 販売先 |
品目(タグ) | 販売商品名 |
部門(タグ) | 販売担当部署 |
そのほか「メモタグ」「備考」には、自社側の販売担当者名や販売先の担当者名、販売内訳、やりとりの記録など、より詳細な内容が必要であれば記載しておきます。
そのほかの会計処理
上記の基本的な収支の登録のほか「会社内の資金移動」「未決済取引に対する支払いや入金(消し込み処理)」などの会計処理の方法に関しては、基本的に他業種と同様の操作となっています。
詳しくは freeeヘルプセンター > freee会計 > 取引 に記載されているヘルプページなどをあわせてご覧ください。
必要に応じて行う設定や作業
配賦仕訳の作成
「配賦」とは、水道代や電気代、作業員の労務費など、直接的に製品生産とは結びつかないものの、生産において必要とする原価を、面積や時間などのある基準を基に割り振ることをいいます。
製造業では正確な製品原価を算出するために、この配賦という割り振りを必要とするケースが多くなっています。
freee会計で配賦を行う際に必要となるのが取引登録の際の「部門」タグです。
(「品目」タグを基準に行うこともあります)
下記ヘルプページを参考に、あらかじめ部門などを設定しておくことと、タグ付けのルールを定めておくことをオススメします。
費用の部門配賦は下記プランのいずれかをご契約の場合、設定可能です。
- スタンダードプラン(または旧ベーシックプラン)
※旧ベーシックプランの場合はアドバイザーのみ利用可能 - アドバンスプラン(または旧プロフェッショナルプラン)
- エンタープライズプラン
- 【個人】プレミアムプラン
プラン別の機能表に関しては 【法人】freee会計のプランについて のページをご覧ください。
勘定科目の新規作成
一般的によく使われる勘定科目はfreee会計に初期項目として登録されていますが、登録されていない勘定科目や独自の勘定科目を用いている場合は、新しく作成する必要があります。
(「副産物」「作業屑」etc…)
- [設定]メニュー →[勘定科目の設定]→[新規作成]
製造業用(製造原価報告書に記載する)勘定科目を作成する際は、「勘定科目のカテゴリー」で「損益計算書の勘定科目(製造業用)」の候補の中から選択してください。
より詳細な登録方法については下記ヘルプページを参考にしてください。
固定資産の登録
1年以上の利用予定があり、かつ10万円以上の取得価額で購入した資産に関しては、「固定資産」として扱い、「減価償却」と呼ばれる費用計上を行う必要があります。(※例外あり)
固定資産にあたる器具や機械を購入する予定がある、またはすでにお持ちの場合は、通常の取引登録とあわせて固定資産台帳への登録が必要となります。
他社会計ソフトから乗り換えなどの場合は、データ移行(インポート)を行うことも可能です。
詳しくは下記のヘルプページをご覧ください。
在庫棚卸
製造業では、工場や倉庫などに保管している製品や製造途中の部品等の在庫状況を定期的に確認(棚卸)し、帳簿に記録しておく必要があります。
棚卸資産に関する必要な操作や設定に関しては下記のヘルプページをご覧ください。
入力内容や提出書類などの確認
部門別で経費を確認する
部門ごとに、どの費用がどのくらいかかっているのかを確認や比較したい場合は、部門のタグ付けを適切に行っておけば、freee会計のレポート機能を用いて細かく確認することができます。
詳しくは下記のヘルプページをご覧ください。
「製造原価報告書」の内容を確認する
製造業では、決算の際に通常の申告書類に加え、「製造原価報告書」という書類の作成と提出が必要となります。
詳しくは下記のヘルプページをご覧ください。
「freee人事労務」と連携している場合
給与明細確定後にfreee会計と連携して取引登録を行う場合は、あらかじめ両プロダクトの部門情報の紐付け設定などを行っておく必要があります。
詳しくは下記のヘルプページをご覧ください。
※労務管理ソフトの導入をご検討されている方は 製造業向けfreee人事労務の紹介ページ をご覧ください。
製造業向け参考ページまとめ
本ページ記載ヘルプページ一覧
- freeeヘルプセンター > freee会計 > 取引
- freee会計の事業所の設定を行う
- 【法人】開始残高を設定する
- 部門を登録する
- 費用の配賦(部門への割り当て)を行う
- 【法人】freee会計のプランについて
- 勘定科目の設定・追加を行う
- 【法人】勘定科目の決算書上の表示名を確認・変更する
- 【法人】固定資産を登録する(固定資産台帳)
- 固定資産の減価償却について
- 【法人】その他の会計ソフトから固定資産台帳を移行する
- 【法人】棚卸資産の残高を登録する(在庫棚卸)
- 試算表(損益計算書・貸借対照表)を確認する
- 【法人】製造原価報告書を作成する
- 【法人】決算と税務申告の流れ
- 人事労務・会計連携 - 給与取引に連携される勘定科目・品目を設定する(部門タグ単位)
インタビュー記事
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